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異常性愛
第2章 涼子について
円満な晶子との夫婦関係の合間に、私は三年ほど前から不倫している。
相手は私と付き合う以前に、二度堕胎している。
それ以来、薬で排卵をコントロールしているらしい。
余程のことがない限り妊娠しないその女とのセックスで、私は膣の中へ存分に射精している。
その女とは一時期、頻繁に会っていたが近頃は疎遠になっていた。
特にケンカをしたわけでもないが、どちらかが相手を疎(うと)ましくなることがあるのだ。
ただ未だ完全に切れてはいない。
不倫関係とはそういうものだ。
夫婦関係の解消より、不倫相手と別れることは難しい。
不倫には『離婚』という明確な終着が無い。
そもそも認められた関係ではないのだから、不倫においては¨別れ¨そのものが明確に存在しない。
別れた、と宣言することが誰にもできないので、ケジメがつかず関係がダラダラと続いてしまう。
社会的に疎んじられる関係ではあるが、明るみにならなければ誰にも迷惑をかけず、配偶者以外とのセックスを楽しむことができる。
枝葉末節を払えば、本来セックスだけのドライな関係のはずだ。