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異常性愛
第10章 底流
部屋の電話が遠くに鳴るのが聞こえ、ナルシズムに浸る私を現実に引き戻した。
バスローブを羽織りながら受話器をとった。
『もしもし。』
《わたしだ。もう着いたかね。》
涼子の亭主からだった。
『ええ、少し前に。』
《緊張してるのか?》
『はい。』
正直に答えた。この状況で緊張しない男などいないだろう。
《ほほほっ、そうか。私の自宅で好き勝手やったキミが緊張とはな。おほほほっ!》
『・・・・。』
《いやすまんすまん。からかっただけだ、なんとも思っちゃいない。》
----(この野郎・・・。)
大きく深呼吸し、感情を抑えることに集中した。