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異常性愛
第10章 底流

『入浴、済ませました。この後は・・・。』

《もう始めてるよ・・・。突き当たりの部屋に来なさい。今夜、このフロアは私らしかいないはずだ。風呂上りならそのまま来るといい。》

『わかりました。伺います。』

受話器を置き、部屋を出た。

突き当たりのドアを開けると、薄暗い部屋の奥に人の気配を感じる。
足元灯に誘導され奥へ進んだ。

入口からの通路を抜けると、大きな観葉植物の葉が私の身体に触れた。
それをかわし、足元の小さな明かりを頼りに、少しずつ奥へ移動した。
天井まである大きな両開きのドアが片側だけ開いている。

恐る恐る奥を覗くと、だだっ広いスペースに人影が動くのが見えた。
常夜灯ほどの明るさの間接照明が、天井と壁の境目をうっすらと照らし、脇机のランプの灯りが、シェードの模様を閉じたカーテンに描いている。

三段ほどの広いステップで囲まれたフロアは、二十畳ほどの広さがあり、そのフロアの中心を楕円に取り囲むようにソファが据えられていた。




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