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異常性愛
第10章 底流
薄暗い中、涼子の亭主を捜した。
『おい、キミ!こっちだ。』
亭主の声が聞こえた。
『お邪魔します。』
私の返事にグラスを高く上げた亭主は、橙色の光を反射させた横顔に笑みを浮かべ、私を呼んだ。
『わかってるよ、キミしか来ないよ。
こっちだ。こっちに来なさい。』
ステップを降りて亭主に近づいていくと、フロアの中心のテーブルには果物や肉が盛り付けられた大皿が三つほどと、酒瓶が並んでいた。
バスローブを羽織った亭主の隣には、全裸の女が股を開いて座り、その女の性器は亭主の手で弄ばれていた。
テーブルを挟んだ向かいには、亭主と同年代の初老の紳士がバスローブを肌けさせ、どっかりとソファに座り、床にひざまずかせた女にフェラチオをさせている。
その隣には私と同い年ぐらいのブリーフ姿の太った男が、フェラチオをする女をニヤニヤした目つきで眺めていた。
『いやぁすまんね、先にヤッてるよ。おいっ、彼に酒を。』
隣の全裸の女に指示する亭主を留め、私は自分で酒を注いだ。
全裸の女は既に恍惚状態で、うつろに目を開け、舌を垂らしている。
自分がいじるその女に酒を作らせようという、亭主の感覚が私には理解できなかった。