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異常性愛
第10章 底流
『じゃ乾杯だ。』
初老の男は私に微笑み、太った男はフェラチオ女に視線を落としたまま、男四人でグラスを掲げ、私はその輪に迎えられた。
『おいキミ!替わってくれ。』
亭主は太った男に声をかけると、太ったその男は二つ返事で素早く女の横に座を移し、亭主から全裸の女を譲り受けた。
順番を待たされていたのか、太った男は女を抱き寄せると、いきなり女の性器を弄り始めた。
乱暴な指使いは、太った男の狭隘(きょうあい)な女性経験を露呈している。
『おぉい、もう少し丁寧に・・・そうだ、そうそう。一晩使うんだからな。』
亭主は太った男に女の扱いを説いている。
----(アンタも似たようなもんだぜ。)
少しほくそ笑んだ私の肩を小突いた亭主は、果物の皿をそばに引き寄せて私に差し向けた。
『なにか言いたそうだな。ほほほっ。』
イチゴを口に入れ、息を吸いながら笑う亭主。
相変わらずこの男のひき笑いは気持ちが悪い。
『いえ、そんな。なにもありませんよ。』
私は酒をひとくち含み、唇を締めた。