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異常性愛
第10章 底流
『そこで尺八してるのはウチの看護師だ。若い医師を漁ってるって聞いたんでね。長谷川君と一緒にさせてやろうかと・・・あ、この彼だ、小太りの。それとこちらの淑女は代理店の支店長さん。あっ旅行とかね、そっちの方。この女支店長さんは常連だよ。学会の宿はここにやらせてる。若いがキレ者でね。ほほほ、数字を見越して我々と懇意になってね、今や支店長さんに出世された。ほっほっ!』
モテない不細工男と、手当たり次第に医師を誘惑する若い看護師の交際に、亭主は一役買うという。
しかしその両者は、それぞれ違う組み合わせで淫欲にまみれている。
長谷川と看護師が恋愛関係を結んでいるようには見えないが、権威を振りかざした亭主らが、中世の領主のように「初夜権」を発動させているのかもしれない。
長谷川という小太り男の唇を吸い、膣液を垂れ流す女は、亭主の病院に出入りする旅行代理店の幹部らしい。
長い黒髪をアップにまとめ、顎をせり出して男を欲する様は、業務成績の為だけではない、この女の欲望が曝け出されている。
私にはそう見えた。