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異常性愛
第2章 涼子について
涼子の声を聞くのは久しぶりだった。
『やっぱりそうだったぁ!偶然ね。
買い物に来てたの。あなたは?』
『昼飯だよ。上の揚げ物屋。
ここで会うとはね。』
そう言いながら、涼子の後ろにいる中年男に目をやった。
『やだ、ひとりよ。平日だもの、
旦那さんは出勤日よ。
何?焦ったの?』
涼子はクスッと笑い、私の警戒感を解いた。
涼子には亭主があり二人の子供がいる。
家庭を持つ私とはダブル不倫の関係である。
涼子の夫は大学病院の勤務医で、資産家家系の御曹司だ。
平日は出勤しているが、夜勤もあると聞いていた。
亭主とは一度だけ会ったことがあるが、顔をよく憶えていなかった。
『まさか。焦っちゃいないよ。
お昼一緒にどうだい?』
『それがね、佑太が熱出したって。
幼稚園がすぐ迎えに来いっていうから。』
『そうか残念だな。・・・クルマ?』
涼子は屋上の駐車場だと、上を指差した。
『じゃ上まで送るよ。』
私達はエスカレーターを降り、屋上行きのエレベーターに向かった。