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第10章 底流

　　
『なぁ優子、唾液くれないか・・・。』

幼子を見るような、慈しみのこもった眼差しを私に注ぐと、優子は深く頷いた。
蕾んだ花が開くように、優子はゆっくりと唇を分ける。

　ミチャッ・・・ッチャ・・・・

天井を向いて口を開ける私に、膝で立つ優子は私の口に唾液を移す。
透明の唾液は水あめのような粘度を保ち、時に気泡を含ませ私の口腔に注がれていく。

優子の呼気を鼻に嗅ぎ、生暖かい唾液を口いっぱいに溜めた。
やがて優子の唾液は枯れ、口と口を繋ぐ唾液の糸はプツリと切れた。

　ごぐっ・・んぐ・・ぐ・・

唾液を飲みこむと、なぜかそばにいる優子が恋しくなり、柔らかいふくよかな乳房に頬をあて、乳飲み子のように優子の乳首を吸った。