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異常性愛
第10章 底流
『愛にはね・・・。』
私を胸に抱き、優子は呟く。
『愛には・・・保証も、確証も無いの・・・。想うことだけでいいのよ。たぶん・・・。』
私の耳たぶをつまみ、優子は続けた。
『あなたの奥様と、涼子さん・・・・幸せだと思う。』
そう言うと優子は私を膝枕に寝かせた。
優子の体温が心地よく私を包み、下腹部の匂いに郷愁を覚えた。
『俺、優子が好きだよ。
きっと・・・・・・いや、よくわかんない。』
『今のはナシ、でいいわよ。逢ったばかりだもの。』
『ごめん。』
『いいえ・・・。』
瞼が重くなった。
意識が徐々に遠ざかる。
開業医が優子を呼んでいる声がうっすら聞こえたが、私はそのまま眠りに落ちた。