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異常性愛
第11章 アフロディーテの慟哭
  
そして涼子に伝えた。

『俺は涼子が好きだ。』

それを聞いた涼子は、その場で泣き崩れた。
わんわんと声をあげ、泣いた。

涼子を慰めることもできず、私はただタバコをふかす以外になかった。
不純な動機でしか女と付き合えない私が、初めて惚れた女が涼子だった。
女性を愛することが苦しいことだと、涼子は私に教えてくれた。

大粒の涙をぽろぽろと溢し、憚(はばか)ることなく声をあげる涼子。
富める者にすがり、安定を志向し、本当の愛を置き去りに生きてきた涼子は、私のような気ままで不埒な男に拠り所を捜したのかもしれない。

ただ私には涼子を受け止める度量がなかった。
欲望の趣くまま、パートタイムで愛のようなものを垣間見せたに過ぎない。

私など、つまらぬ人間なのだ。



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