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異常性愛
第12章 独裁者の嘆き
『まぁ怖い顔するな。ほほほ。
キミは建築材の営業でいくら貰ってる?
せいぜい七百万、
いや六百万ぐらいか。』
『何の話ですか。
またおちょくるんなら行きますよ。』
既に涼子はクスリで自分を見失っている。
開業医に弄ばれる涼子を連れ出したかった。
『まぁまぁ、私もこんな男だ
物言いは多めに見てくれよ・・・。
それで年収の話だが、
私は雇われの身だが
それなりのポジションだ。
院内での派閥も私のが一番大きい。
細かいことは言わんが、
キミの想像通りの金額を手に入れとる。
いやそれ以上かな?
ほほほ。
保有株の配当は毎年キミの年収程度。
それ以外にも株式の売却益、
駅前の賃貸ビル、
十年前に買った土地は
ウチの病院に転売したよ。
そこへウチが入院施設を建てる。
実家には山も持っとるし、
田んぼは商社が欲しいと言ってきててな、
まぁまだまだ売らんが。』
『そんな話、今関係ないでしょう。』
『なぜ、キミにはそれがないんだ?』
『は?』
『なぜ、私は持ってて、
キミにはないんだ?』
『そりゃ私は医者じゃありませんし、
実家も貧乏です。』
『そんなものは関係ない。』
『関係あるでしょう。
ない訳がない。スタートが違う。』
『キミは固執し過ぎるんだ。
それがいけない。』
『固執?』