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異常性愛
第12章 独裁者の嘆き

涼子と開業医がどうなっているのか確かめたかったが、この男の話ぶりは私を引き込む魅力があった。
それは独裁者の演説のようだった。


『教育?』

『学校の勉強なんてどうだっていいんだよ。
 あんなものは役に立たんよ。
 
 学校ってのは同じ人間を作る工場だよ。
 権力者が扱い易いようにね。
 皆に賢くなられちゃ困るのさ。
 そこそこに留めとくのが学校さ。

 ま、ないよりマシではあるけどね。
 勉強はした方がいいね。
 長谷川君にバカにされない為にも、ほほほ!

 だがキミは涼子を射止めたじゃないか、
 そのデカイ性器で。
 それこそ強さの象徴さ。
 だから私はキミが好きなんだよ。』

『性器が目当てじゃないと思いますよ。涼子は。』


涼子は巨根に悶えることは事実だが、さっきの涼子とのセックスはそういうものではない。
あれほど意思を通わせあい、感じあえたセックスは他にない。
亭主は持論を整然と展開するが、それとは違うものが必ずある。
私はそれを体験したばかりだ。


『いや、性器さ。
 ウチに隠してあったキミクラスのオモチャ。
 あれはキミを象徴している。
 なぜチ○ポのおもちゃなんだい?
 写真や手紙で充分だろ。』

『それは、なんとも言えません。
 見ていませんから。』

『見たところキミは洞察力もあるし女性ウケもいい。
 頭は悪くないが、バカだってことだ。』


自分がはっきりとバカと罵られたことに異論はなかった。
亭主の言うとおり、私は女好きのバカである。
だが亭主の言うバカはそれとは違うものだった。


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