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異常性愛
第13章 塊
ベッドルームの入口付近で、涼子を抱いた私の前に長谷川が立ちはだかった。
『長谷川さん、おひらきですよ。
そこ、どいてください。』
私を睨みつけたまま長谷川は動こうとしない。
長谷川は私のせいで亭主に蹴り上げられ、無様な姿を晒した。
私に憎悪を抱くのも無理は無い。
『長谷川さ・・先生、時間がないんです。』
なおも長谷川は拳を震わせ、私を睨む。
面倒くさいヤツだ。
涼子を降ろそうとした その時、腕の中で涼子が口を開いた。
『先生、先生のそういうとこよ。
モテないの・・・。』
諭すような涼子の言葉に、長谷川は息を飲み、下を向いた。
『センセ!はせがわセンセー、
いらしてっ、こっちぃ。あはは。』
甘ったるい声で優子が長谷川をベッドに誘う。
私は長谷川に道を空けた。
『お呼びですよ。センセ。』
長谷川は不機嫌な表情を隠さずベッドに向かい、開業医と優子を奪い合い始めた。