この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
異常性愛
第13章 塊
駅までは半時間ほどの道程だ。
風光明媚な湖畔のドライブウェイを、くすんだ白色の商用バンで駅に急いだ。
『タバコは止めれんのかね、キミ。』
タバコ臭い車内で、亭主は鼻にハンカチをあてた。
無茶な送迎を願い出たのは亭主だが、乗り込むなりクレームをつけている。
だが不思議と嫌味を感じない。
『私の楽しみがなくなりますよ。』
『はっ! あんなに楽しんでおいてか?ほほほっ!』
『タバコを吸うように女は抱けませんよ。』
『いいねぇそれ。タバコを吸うように・・女をか。』
言い回しが気に入ったのか、亭主はボソボソと繰り返した。
何かを思い出したように亭主が口を開く。
『そうだ、
優子がキミのこと気に入ってるようだが、
キミはどうなんだ?』
『美人ですからね。
声が掛かれば・・。ですかね。』
『まぁた、持ってくのか!ほほほ。』
亭主は嬉しそうに笑う。
ひき笑いがおさまると、亭主は景色を眺め 眼を細めた。