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異常性愛
第13章 塊
  
愛を確かめたあの幸福感は例えようのない快感だ。
それを亭主に説明できない もどかしさで私は顔をしかめた。

『いくら考えても
 今のキミに正しい答えは出せんよ。
 愛とやらがキミにバイアスをかけるからね。』

『涼子とのセックスはそんなものじゃありません。
 私を満たしてくれたんです。
 涼子を感じました。涼子と疎通したんです。』

言いたいことの半分も言えていない。
端的な表現に間違いはないが、伝え切れるようなものではない。

『ほほほっ!なるほど。
 そりゃアドレナリンだよ。
 大量に出たんだな。環境がそうさせたんだ。
 ドーパミンがキミを敏感にさせたんだ。
 そんな愛なら私も知っている。ほほほ!』

違う。そんなものではない。
癒し、いや郷愁のようなものを感じたのだ。
私が言葉を探す間に、亭主はハンカチをたたみ直し、私に聞いた。

『ゆうべも聞いたが
 キミは辛い子供時代を過ごしたようだね。
 気の毒に思うが、それがキミに影響したんだな。
 ご両親の愛情 足りていないように推察したが、
 どうだ?』


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