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異常性愛
第13章 塊
『母と・・。幼い頃に生き別れました。』
『恨んだかい?』
『ええ。そうだったと思います。
小さい頃でしたから、気付きませんでしたが、
母ではなく父を恨みました。
それと・・・。』
『それと?』
『上手く言えませんが、理不尽なものです。
自分を圧迫するような
見えない力のようなものです。
それが嫌いでした。』
『そうかぁ、辛い話をさせたな。』
『いえ、かまいません。』
『キミは涼子に、
いや奥方やすべての女性に
母君を映しているんだよ。』
全く意識していなかった言葉に衝撃を受けた。
みぞおちの辺りに引き攣りを覚え、大きな刃物が刺さったような寒気が走った。
----涼子に母を映している・・・。