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異常性愛
第13章 塊
重くも軽くもならない気持ちを整理せず、ホテルにUターンした。
三十分かからずに駅に着いた。
同じぐらいでホテルに戻れるだろう。
ホテルで待つ涼子に連絡しようと携帯を手にしたが、山道に入った所でアンテナのアイコンは消えた。
舌打ちし、アクセルを踏んだ。
山あいの細い道を飛ばし、私の気は急いた。
前をのんびり走る地元の軽自動車を反対車線から追い越し、黄色の信号を突っ切った。
急ぐ気持ちを抑えることができず、カーブを曲がる度にタイヤは悲鳴をあげ、後部座席の荷物がバサバサと崩れ落ちた。
湖畔のバイパスに出ると車線が増え視界が開けた。
整備された路面は車を安定させ、私にアクセルを踏ませる。