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異常性愛
第13章 塊
  
ビュンビュンと対向車線の車と行き交う。
相当な速度が出ていたことに気付き、足首の力を抜いた。

湖に陽光が反射し、無数の光の粒を湖面に躍らせる。
気の早い木々が所々に少し色づいた顔を見せ、この辺りの季節の早さを私に教えた。

----いいとこだな・・・。

昨夜の酒池肉林騒動が、雄大な自然を汚してしまったようで、罪の意識を感じた。

余所見を止め、運転に集中した。
対向車線に数台の車が見える。
天井に提灯をつけたタクシーだった。

すれ違った数台のタクシー、その中の一台に涼子を見た。

『あれ?今の・・。』

何度か後ろを見返すが、タクシーは小さくなっていく。
一瞬のすれ違いだったが見間違いではない。
後部座席に乗っていたのは涼子だ。

胸がざわついた。





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