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異常性愛
第14章 宿怨
対向車線の先頭に、信号待ちをするパトカーが目に入った。
慌ててブレーキに踏み換えると、車はタイヤを鳴らして暴れた。
車内の荷物が一斉に前へ移動し、背もたれにドンッとぶつかる。
フロントガラスへ私を押し付けようとする慣性に、両腕を突っ張って逆らい、微妙なハンドル操作で車を制御した。
不自然にノーズを左に向け、停止線直前で辛うじて車を止めることが出来た。
パトカーの警官と眼が合う。
制帽のツバ越しの目線は、人形のように無機質で冷ややかだった。
コンソールからイヤホンを引っ張り出してコネクタに繋ぎ、涼子に電話をかけた。