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異常性愛
第14章 宿怨
----待ってろって言ったのに・・。
苛立っていた。
呼び出し音が途切れ、涼子の声が聞こえた。
《もしもし・・・》
『もしもし!今どこだ?!涼子!』
私の問いかけを無視し、電話の声は一方的に話し続ける。
《メッセージをどうぞ・ピーッ・・・》
急いた私は、留守番応答に声を荒げていた。
----(なんだよ!ったく。)
信号は私を見下すように静かに赤色を燈し、白黒のパトカーは斜めに停車した私を見張る。
すぐにリダイヤルした。
接続されるまでの長い無音が、私に苛立ちをつのらせる。
サーッという雑音と共に女性の声が聞こえた。
《現在、お客様のご都合により・・・》
流暢、だが機械的で冷めたアナウンスが流れる。
涼子は意図的に私からの着信を拒んでいた。