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異常性愛
第14章 宿怨
涼子は私の車に同乗せず一人で帰ることを選んだ。
亭主を送迎する間に、何か心境の変化があったのだろう。
ほんの半時間前に、右手を伸ばして車掌を気取った涼子が愛おしい。
あきらめた私の心の動きを察したように信号は青色を燈し、今度は私の尻を叩いた。
同時にパトカーも発車し、私に冷たい視線を送りながら対向車線をゆっくり走っていった。
タバコを切らしていたことを思い出し、Uターンして交差点脇のコンビニに車を停めた。
このまま追いかけても前を行くパトカーに追いつけば、それ以上の速度でタクシーを追うことは出来ない。
ホテルに戻り、涼子の去就を確かめることも考えたが、暴れまわった気持ちを一度落ち着かせたかった。