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異常性愛
第14章 宿怨
涼子は、持ち前の美貌と賢さで欲望を叶え、自分の心の穴を埋め尽くした。
乱交仲間とは趣向を異にした、私とのセックスはアトラクションのようなもの・・・。
その穴を埋めるゲームのひとつに過ぎない・・と。
私はそう思っていた。
だが違った。
涼子の言う恋愛ごっこは、素直な愛情の往復だった。
知り合った頃の私たちはタバコ臭い会社のバンで出掛け、定食屋で飯を食い、防波堤で夕暮れまで海を眺めた。
私のつまらない仕事の愚痴や昔話に、涼子は楽しそうに耳を傾けてくれた。
若くして贅沢に慣らされ、金銭や見かけの豪華さに満たされた涼子にとって、質素な私とのデートは新鮮なものだったのだろう。
金銭を絡ませず名誉や権威の対極にいる私に、涼子は自然な恋愛感情を育てた。
やがてそれは恋愛ごっこを越え、恋に変わった。