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第2章 涼子について

　　　
口紅を塗りながら、涼子は鏡に映る私に話しかける。

『久しぶりでドキドキしちゃった・・
　ここいいよね・・。』

次に逢う約束をしようと、あざとく聞いてみた。

『次はどこがいい？』

『そうねぇ・・・』

手櫛で髪を整える涼子は、首をかしげ、記憶を辿るような上目遣いで答えた。

『ウチで・・・旦那さんがいるとき・・かな？』

私はわざと目を丸くして驚いたふりをした。

『へぇ、そりゃ大胆だ、いいね。』

『そう言うと思った。ホントに悪い人ね。冗談よ。』

涼子はフフッと笑い、鏡に顔を近づけて化粧を確かめた。

----（なんだ、からかわれたのか。）

私は溜息をついた。