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異常性愛
第16章 萎凋
乱暴者の札を貼られた少年だが、悪童たちの中ではリーダーのような存在で、皆から慕われていた。
父親から自分の意思を無視され続けたせいか、それを反面教師とした少年は他者を理解することに長けていた。
相手の嫌がることを正にも負にも使いわけ、周囲を取り込む力があった。
時には暴力沙汰になることもあったが、大人しい同級生を虐めるようなことはなく、特に少年を避けるものはいなかった。
当時の彼が牙を剥いたのは、理不尽に振るわれる説明のない強制。
そして「利己主義」に敵意を剥き出しにした。