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異常性愛
第16章 萎凋
そんな少年を憧れに想う少女が雅美だった。
長い黒髪が美しい清潔な娘だ。
お嬢様タイプの雅美は、過激な少年の危うさに心惹かれ、全てを許していた。
地元の大地主家庭で不自由なく育ち、美しいものしか目にしてこなかった雅美は、ただ乱暴なだけではない、奔放な少年の人柄に力強さを見ていた。
最初は物珍しさから少年に興味を持ったのだが、やがて彼の事情を知り、彼の怒りの矛先が自分の持つ不満と重なり、心を傾けていった。
この年代にはよくある、熱病のようなものだった。