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異常性愛
第16章 萎凋
雅美は他の悪童と会うことが照れくさかった。
異性を意識しすぎる、そんな年頃だ。
『嫌いか?タコ。』
『そんなじゃないけど、あたしやめとく。』
『そうか。じゃ俺行くよ。』
『ああ、そうなんだ。行っちゃうんだ・・・。』
弁当だけを受け取り、自分のもとからあっけなく去ろうとする少年に、雅美は少し苛立った。
少年は振り向き 口を開く。
『宿題まだなんだろ?夏休みの。』
『済んだよ、もうとっくに。』
『だったらいいじゃん。行こうよ。』
少年は雅美の自転車のカゴに弁当を入れ、スタンドを払った。
『乗れよ、早く。腹減ってんだ、行こう。』
『だって、あの公園てさ評判悪いよ。』
『だからいいんだよ、貸し切りでさ。
おまえ、アイツら気にしてんだろ?』
『うん・・・・。』
『大丈夫だって、俺がいる。』
少年のきっぱりした態度が、ためらう雅美を動かした。
雅美は自転車の後ろに座り、少年の腹に手を廻した。
『よし、行こう。』
自転車はゆっくり動き出した。