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異常性愛
第16章 萎凋
『いいよ、これぐらい。』
好意を断る少年の喉もとに雅美はハンカチをそっとあて、優しく水滴を拭き取った。
『だらしないなぁ。ハンカチ持たないの?』
『乾くじゃん、水なんてすぐ。』
『ちゃんとしなきゃ、だめだよ。そういうとこ。』
『雅美って、母ちゃんみたいだな。』
雅美はそれを聞いてハッとした。
少年に母親を想起させてしまったことに自分の行為を後悔した。
『あ、ごめん・・。ごめんね。』
『はぁ?なにが?』
『お母さんみたいなことした・・。』
『あっ!そんなこと?
気にしすぎだよ。謝んなくていいよ。』
うつむく雅美を慰める少年は、砂場に転がるサッカーボールを見つけた。
『リフティング見る?』