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異常性愛
第16章 萎凋
なんとなく気まずい二人は黙り込み、少年はその場に立ち尽くした。
『なんか、ごめん。止まんなくなって。』
『・・・・いいよ。気にしてない。』
雅美は社にもたれ、うつむいて答える。
息詰まる場の雰囲気に疲れた雅美は、少年の手を引き、境内に戻った。
勢いづいて雅美を連れ込んだものの、雅美に手を引かれトボトボ歩いて出てくる事を、少年は情けなく感じていた。
小さな外灯が寂しく点る境内で、二人は再び自転車を間に向かい合った。
雅美はニッコリ笑うと少年の手を揺すった。
『あのね、前から聞こうと思ってたんだけどさ、
聞いていい。』
『え、ああ、いいよ、何?』
場を繕ってくれる雅美に少年は救われた。