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異常性愛
第17章 つづら織りの海

あの日、昼過ぎまで優子と過ごし ヘトヘトだった私は、帰宅するなり晶子に抱きつかれた後、小さな新しい家族を紹介され、その名付け親に指名されたのだ。

小動物の名前などどうでもよかったのだが、私の妻を一晩見守ってくれたチビ達に敬意を払うことが、晶子への罪滅ぼしの一つになるような気がした。

とは言うものの、真面目に考えるほどなかなか思い浮かばず、まさかリョーコとユーコという訳にもいかない。
風呂上りに やっと浮かんだ名前がベルとカンプだった。

怪訝そうに名付けの動機を尋ねる晶子に、私の好きだったサッカー選手だと答えた。
ベルカンプはオランダの技巧派プレイヤーで、彼のゴールは有名画家の筆捌きのようだと賞賛された名選手だった。

響きが好いと晶子も同意し、ケージの中の小動物は晴れて命名された。
まもなくベルは短い生涯を終え、自宅前の河川敷に埋葬されたが、ベルが死んだのかカンプが死んだのか、同じ模様の彼らを判別することが私は最後までできなかった。





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