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異常性愛
第17章 つづら織りの海
その後は晶子の両親の達ての希望で、両家の顔合わせをした以来、私は父と会っていない。
その時も父と目を合わさず、顔合わせのあと晶子の実家近くで、言葉も交わさず父と別れた。
後の結婚式にも私は親族を招待していない。
父との距離を、これ以上詰めたくなかった。
もし晶子との間に子が出来ても、自分の父をその祖父とする気は無い。
おそらく孫の誕生を知らせることもないだろう。
私は勘当される前から、あの家系と縁を切っている。
その父に、母の居所を聞く気にはなれなかった。