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異常性愛
第17章 つづら織りの海
見上げた私を見下ろしていたのは同級生の石川だった。
少し肥えたようで、すぐには解らなかった。
『あぁ?イシ?久しぶりじゃん!
よく解ったな、どうしてた?』
『ここにいるんだ俺、国保の収納課。
オマエは?何してんの?』
『壁紙屋にいるよ。いや久しぶりだな、
いつからだ?』
『成人式で向かいに泊めてもらった以来じゃね?』
『あ、そうだっけ?』
私と石川はかつて酒を飲み、役所近くで大喧嘩したあげく、二人仲良く通りの向こうの警察署に一晩拘留されたことがあった。
その日は成人式だった。
『あんときは悪かったな。』
『いや、そうだっけ?よくおぼてねぇな。』
実際に喧嘩の原因がなんだったのか、私は記憶していなかった。
『雅美だよ、そいで揉めたんだ。』