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異常性愛
第17章 つづら織りの海
『雅美?そうだったか?』
雅美の名前を聞いてキュッと胸が詰まった。
懐かしい響きだった。
『俺がさ、雅美のことでおちょくったんだよ。
そしたらお前がキレてさ。
俺がそこの花壇のレンガ掴んでかかってたらさ、
おまえ、コンビニのベンチで俺を殴ったんだよ。
血だらけでポリに連れてかれて・・・。
懐かしいよなぁ・・・。』
『そんなことしたか?ひどいなそりゃ。』
『そうだよ、ひでぇよ。ははは!
でも、だいぶ落ちついたみたいじゃん。
今日はどうした?』
『いや、なんていうか・・・人探しで。』
『ほう。そうなのか。』
『母ちゃんを・・、
どこにいるか知りたくてさ。』
『おまえの?だよな。生き別れか?』
『そうなんだ。親父のとこには行きたくねぇし。
で、自分で調べようと思ってさ。』
『そうか、なら戸籍だな。
除籍調べりゃ本籍わかるよ。待ってろ。』