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異常性愛
第17章 つづら織りの海
『話したこと・・ないな。確かに。』
『うん、お父さんとも会おうとしないし、
あたしあなたのお兄さんもお姉さんも
知らないのよ。』
『まぁ、そんなのはどうでもいいんだけど。』
晶子は洗い物を途中で置くと、手を拭きながらテーブルについた。
目を逸らした私を、晶子が神妙な面持ちで見つめているのがわかる。
『どうしたの?最近。
考え事してるみたいだし、
子供のことあたしに聞いてみたり。
お母さんのこと?
何かあるなら話してよ。』
『いや、そうせっつくな。
圧があるよ。こわいな、もぅ。』
『なにをモジモジしてるの?
あなたらしくない。
あたし、隠し事はヤよ。』
『だから今から言うんだよ。』
『なぁに?』
『母ちゃんに会いたくて、
今、捜してるんだ。俺。』