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異常性愛
第17章 つづら織りの海
晶子は目を閉じ、頷いた。
テーブルに乗り出した身体を戻し、手を膝に置いて姿勢を正した。
『そう・・・。
そういう気持ちになれたんだね。
よかった。』
『いいか悪いかはわからんよ。
生死も定かじゃないし。』
『どこにいらっしゃるか、わかったの?』
『ああ地元の役所で。本籍までだよ。
ちょっと遠いんだ。
そこからは動いてるだろ。たぶん。』
『そうなんだ。
でもあなたがそうやって
捜し始めるなんて思わなかった。』
『まぁな、別れて三十年近く経ってる。
顔も覚えてない。
生きてりゃ還暦過ぎたぐらいかな。
そんなバァサン見分けつくかな?』
『そうね。難しいかもしれないけど。
あたしね・・、あたしもお母さんに会いたい。』
『俺の? かぁちゃんに?』