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異常性愛
第17章 つづら織りの海
晶子も自分の気持ちをはっきりさせ、最後の判断を私に委ねた。
その判断がどうであっても、晶子は私を支持するという。
グズグズと優柔不断な、嫉妬深い浮気男には勿体無い。
晶子はいい嫁だ。
『コーヒー、俺がやるよ。』
『そう?おいしいの頼むわね。』
我が家ではコーヒーだけは贅沢な豆を使っている。
奮発して買った豆を轢くと、部屋中を馥郁(ふくいく)と香らせる。
笛を鳴らしたヤカンを迎えに、晶子の後ろを通った時、
私は晶子を後ろから抱いた。
『ありがとう。アキ。
明日、本籍に行ってみる。』
『うん。わかった・・・。
がんばってね。』
私の腕の中で晶子は微笑み、小さく頷いた。