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異常性愛
第18章 大罪
渋滞もなくスムースに流れた高速を降り、下道の魚市場を通り過ぎたのが、朝九時前だった。
その時点で朝食を始末しきれていない、私達の胃袋はご馳走を求めなかった。
そこから一時間ほど走ったところで海岸沿いの道に出た。
しばらく山道を走ってきた私達の視界がパッと開け、車内の雰囲気も明るくなった。
『わぁ、海ぃ、いいねぇ。』
どことなく懐かしみのある風景に、晶子の声は一段と明るさを増した。
少し高くなったお日様が海原を照らし、沖の波間をキラキラと輝かせている。
太平洋側と比べ やや狭い砂浜が、切り立った断崖と青黒い海を分け、表情豊かな風景を私達の車窓に映してくれた。