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異常性愛
第18章 大罪
アスファルト敷きの地面で晶子を先に降ろし、フェンス際に車を止めた私は、ぬかるんだ足元を跳ねて移動し、晶子の手を掴んだ。
『・・っよっと。』
『大丈夫?』
『あぁ、大丈夫。ありがと。』
私に上着を羽織らせた晶子は、私の肘をつまむ。
『行こうか。』
挑むような気持ちで、私達は役所の正面入口に向かった。
閑散とした役所の中は、二灯差しの器具に蛍光灯が一本だけ取り付けられていて、もともと採光の悪い内部をさらに薄暗く感じさせる。
中途半端な季節にエアコンは使わないらしく、オフィス機器の熱気が不快な空気を対流させていた。