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異常性愛
第18章 大罪

名前を呼ばれ、私達は小走りで窓口に駆け寄った。
職員は訝(いぶか)しげに私と晶子を見回した後、一通の戸籍抄本を見せてくれた。
『ああたの、えー、お母さん。
え、これね。君枝さん。はい。』
私達は身を乗り出し、抄本を覗き込んだ。
母の名は、君枝で間違いない。
『ああっと、生きておられます。はい。』
晶子は足踏みし、ギュッと目を瞑(つむ)った。
『届けがないんでね。ええ。存命のはず。
でっ、何度か転出されてますが、はい、
おられます。ここね。ええ、ええ。』
職員は本籍地の住所を人差指で叩いた。
『ううーん!』
絞った顔を小さく左右に振って喜悦する晶子。
私は職員に聞きなおした。
『え?ここですか、この住所?』
『ああ、はい、そうでございます。ええ。』
『あの、ここって、
あの神社の近く・・ですよね?』
私は掲示板のポスターを指差した。

