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異常性愛
第19章 変わらないもの
身体を横にしてその隙間を抜けると、鬱蒼とした木々の奥に畦(あぜ)道を見つけた。
そこまで行くと、その先は広い水田になっていて、水田の向こうに何軒かの集落が見えた。
----(見つけた。)
そのうちのどれかが母の実家のはずだ。
籾をつけた稲穂を分けるように、畦道は集落に続いている。
手を繋いで畦を歩く 幼い私と母が 浮かんで消えた。
『あれだよ。アキ、見つけた。』
『やったね。』
畦道をいくのが一番の近道だったが、晶子のパンプスは畦を歩かせるには可哀想だった。
神社と集落の位置関係を確認し、樫の木をもう一度かわすと晶子の手を引き、鳥居をくぐって神社を出た。