この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
異常性愛
第19章 変わらないもの
『そっちの娘さんは、アンタの?』
『はい、妻です。晶子です。』
『ベッピンさんやねぇ、白ぉてエエねぇ。』
『はじめまして、晶子です。』
『ほな、アンタも孫やねぇ、うれしいわぁ。』
そう言って祖母はクシャクシャの顔を綻ばせた。
人懐こいその笑顔は、私の気構えた緊張を解(ほぐ)してくれた。
『小芋サンでも炊こかいな。あきこちゃん手伝うて。』
『はい!よろこんでっ!』
晶子は本当に嬉しそうだった。
初対面の晶子に気さくな態度で接する祖母。
その慕わしさに、晶子は花咲いたような笑顔で答えた。
前の路地に原付バイクの音が聞こえ、それが門の前で止まった。
祖母は私たちを指差して、門の外に向かって来客を伝えた。
『倅が、きとるよ。』
『えっ?なに?』
門の向こうで女の声が聞こえた。
『お客さん?セガレってなんな・・・。』
門をくぐった白髪交じりの女は、作業着姿で日焼けしたふくよかな顔をこちらに向け、会釈した。