この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
異常性愛
第19章 変わらないもの
   
『会いに・・来てくれた・・わたしに。』

母は両手で顔を押さえ、泣いた。
大きく息を吸うと声を出して、また泣いた。

私は泣くまい、と決めていた。
絶対泣くものか、と。


ただ、老いた母の薄くなったつむじの、
その細い髪の弱々しさ・・・。

食い縛っていた私は、
泣けて泣けて、涙が止まらなかった。

三十年近い年月の長さを、伏せる母のつむじに見た。
その間、母は悲しみ抜いた。
母のそのつむじは、母の深い悲しみを私に伝えた。


二十数年前に母を求めた幼い私が、私に言う。

なぜ、もっと早く行かなかったのかと。
なぜ母を一人にしたのだと。

私は幼い彼に、言い訳することができなかった。
母を捜すことなどいくらでも出来たのに、
私はそれを怠り、つまらぬ意地を張った。
幼い彼と母の間に立ちはだかったのは、

私だった。




/1161ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ