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異常性愛
第20章 綾繋ぎ
そう思えば、父も不憫な人間だと思う。
不遇な幼少時代を過ごし、教育を受けず、エセ宗教につけいられ、職を失い、妻に不貞され、子に憎まれ・・。
私はそんな父を哀れに思う。
だが迷い無く信仰に没頭することで、父自身は幸福を感じている。
「愛されなくてもいい
ディーを好きでいることが幸せ。」
優子は私にそう言った。
涼子も同じようなことを言い、
晶子は私を命に代わるものだと言ってくれた。
私は父をどうしても愛することができない。
だとすれば、肉親を愛せない私は本当に不幸せな人間だ。