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異常性愛
第20章 綾繋ぎ
  
たとえ間違っていようとも、それを信じ愛することが幸福だとするのなら、

母の実家の食卓で感じた幸福感は何なのだ。
涼子を最後に抱いた一体感は何なのだ。

家族で食事をするだけなのに心和ませ癒される。
自己同一性を打ち破ったような、涼子との最後の夜。


それは愛を交流させたからだ。
互いを思い、愛し愛されたからだ。

確かに父や優子のように「好きでいる」ことは幸せなことかもしれない。

だがそれは、あまりに一方的で残酷だ。

人を好きになるという興味であり、
信仰という趣味だ。


愛とは通わせるもの。
一方的には成しえない。







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