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異常性愛
第21章 ギブ・アンド・ギブ 前編
同僚が私の肩を叩いた。
『どうする?行くか?』
『いや今日ダメなんだ、悪い。』
『そうなんだ。惜しいな。
新人も来るんだがなぁ。
ピチピチの女子社員もいるぞ。いいのか?』
『いや悪いな。客宅で打ち合わせなんだよ。』
『仕事か。なら仕方ないな。
たまには顔出せ。次は断るなよ。』
『ああ、早く済んだら合流させてもらうよ。』
『わかった。
場所、メール入れとくわ。お疲れさん。』
『ああ、お疲れ。すまんな。』
イベントの最終日は飲み会と決まっていたが、私は優子との密会を優先した。
新人の女子社員に興味はあったが、社内の女に手を出す気はない。
妻帯者の私が、社内の若い独身女性と交際したところで、その先には破滅以外に何も無い。
その上、大勢で飲む事が苦手だ。
親しい同僚とちょこちょこやるのは好きだが、宴会形式の飲み会で自己紹介したり、つまらぬ芸を披露することに馴染めず、仕事を理由にいつも断っている。