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異常性愛
第21章 ギブ・アンド・ギブ  前編

歯に挟まった肉片をどうしても取りたくて嗽(うがい)をした。
気取った食事の場でシーシーするわけにいかない。
晶子の言いつけを守った。

パウダールームからバスルームを覘くと浴槽が見えた。
真っ白の大きな浴槽の脇にジャグジーのスイッチがあった。

----相当、するんだろうな。ここ。

それなりの宿泊費が予想される。
今日が特別なのか普段からそうなのかわからないが、優子はこれぐらいでなければ満足できないのだろうか。
ルームサービスの豪華さもそうだが、亭主の言っていた¨力を味方¨につければ、これぐらいは容易(たやす)い事なのかもしれない。

優子の声がここまで聞こえる。
盗み聞きをする気は無かったが、徐々に優子の声が大きくなり、電話の相手と揉めているのがわかる。
電話の雰囲気は悪そうだった。



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