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異常性愛
第22章 ギブ・アンド・ギブ 後編
『優子、おいで。キスしよう。』
優子は上下を入換え、私の顔の前にその笑顔を見せた。
『ディー、チュー。』
唇を尖らせ、私の唇をチョンとつつき、優子は笑う。
別荘で朝食を拵えてくれた、あの時の笑顔だった。
あの時も優子の笑顔に癒され、心を伸ばした。
次は私が優子の心を解してやらなければ、この女はあまりにも痛々しい。
優子にとって、割に合う恋をさせてやりたい。
たとえそれが不倫という、世間に疎んじられる関係であったとしても、この笑顔を彼女から奪うのは憚られることだろう。
私が優子に性的な魅力を認め、好きなようにセックスが出来る以上、私の決断はどんなに取繕おうとも、お為ごかしの域を出るものではない。
ただ、私は優子を好きになってしまった。
それは曲げようの無い事実だ。