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異常性愛
第23章 原石と宝石
震えながら二本目のタバコをつけた。
ニコチンが昼飯抜きの胃を軋ませる。
水分を含んだ都会の雪は積もるようなものではないが、それでも止む気配を見せない。
外国製の大きなセダンが屋根にうっすらと雪をかぶり、ゆっくりと私の前を通り過ぎた。
地下駐車場へのスロープを下ろうとする直前で、セダンはブレーキランプを点した。
運転席の窓が開き、そこから見覚えのある可愛い顔が覗いた。
私に向かってニッコリ微笑んだのは、真美だった。
息をのんだ。
髪型が涼子と全く同じだった。
『あー、久しぶり。』
私は手を振った。
『お久しぶりです。』
『どうしたの?こんなところで。』
『内装のこと伺いたくて。』
『僕のとこへ?』
あの日の自分のキャラクター設定を私は忘れていなかった。