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異常性愛
第23章 原石と宝石
   
乗り込む前、車越しにもう一度真美を見た。
髪を伸ばしたヘアスタイルは、やはり涼子と同じだった。

サイドブレーキを外し、慣れない左ハンドルを慎重に運転しスロープを下りた。

『元気にしてたの?』

『はい。バタバタしましたけど。』

『そう。よく来てくれたね。』

私からはあの日のことや、結婚のことは聞かなかった。
真美のあの醜態は、素面(しらふ)で みだりに触れられるものではない。

『新居の内装をまとめてお願いしたくて、今日は伺いました。』

『若いのにしっかり話すね。』

曲げた人差指を口元に添え、真美はクスッと笑った。
仕草に落ち着きがあった。


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