この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
異常性愛
第23章 原石と宝石
乗り込む前、車越しにもう一度真美を見た。
髪を伸ばしたヘアスタイルは、やはり涼子と同じだった。
サイドブレーキを外し、慣れない左ハンドルを慎重に運転しスロープを下りた。
『元気にしてたの?』
『はい。バタバタしましたけど。』
『そう。よく来てくれたね。』
私からはあの日のことや、結婚のことは聞かなかった。
真美のあの醜態は、素面(しらふ)で みだりに触れられるものではない。
『新居の内装をまとめてお願いしたくて、今日は伺いました。』
『若いのにしっかり話すね。』
曲げた人差指を口元に添え、真美はクスッと笑った。
仕草に落ち着きがあった。