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異常性愛
第23章 原石と宝石
来客用の駐車スペースに車を止め、エレベーターに向かう途中で女子社員に真美の来店を連絡し、用意を頼んだ。
『お仕事されてるとこも素敵ですね。』
『あっ、そういうのも巧くなるんだ。はは。』
『あの時のこと、私、忘れてませんから。』
真美は、あの日のことを口にした。
様々に展開したあの日の何を忘れていないのか、それ以上は聞かず沈黙を受け入れた。
私達は到着したエレベーターに乗り込んだ。
閉じたエレベーターのドアに二人並んだ姿がぼやっと映る。
真美は私の肩ぐらいの背丈で、ヒールが膝をピンと伸ばし、つま先を少し内向けに立っている。
ドアに映った真美の顔が、私に向いた。
『あれから涼子さんとは?』
『いや、全然・・・。』
『そうなんですか。』