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異常性愛
第23章 原石と宝石
真美は襟元を直し、ドアが開くのを待った。
『先生、ひどいな。君はショートの方が似合うよ。』
真美の態度をどこか生意気に感じ、目を合わせずに言葉を置いた。
一階に到着しドアが開くと、エレベーターを待っていた数人のビジネスマンが、目を大きくして真美に驚いている。
この数ヶ月で、周囲を圧倒するほどの自信が真美に備わっていた。
ショールームに戻ると、そこにいた社員も皆一様に、真美の醸す気高い雰囲気に一目置いた。
真美は紅茶をサービスする女子社員への会釈や微笑み方も堂に入っていて、私の目の前に若い涼子が座っているようだった。
一応、私の名刺を渡した。
目を寄せて名刺を見つめる表情にあどけなさが残っている。
いくら装いを変えようとも、本来の素性は隠しきれないものだ。
少しホッとした。
真美らしい真美の方がいい。